「ファミリー・ツリー」を見たぜ



【あらすじ】
祖先の土地を受け継ぎ、ハワイで妻と2人の娘とともに暮らすマット・キング(ジョージ・クルーニー)だが、ある日、妻のエリザベスがボートの事故でこん睡状態に陥ってしまう。さらに、エリザベスには不倫の相手がおり、離婚まで考えていたことが発覚。友人や長女もその事実を知っていたことにがく然としたマットは、自らの人生を見つめ直すことになる。
という、あらすじを読むと、シリアスで暗いドラマのように思えますが、映画のトーンはちょっと違います。ファッション用語で例えれば、「甘辛ミックス」なんです。
重いシーンにもかかわらず、大きく広がる南国のハワイの風景、やわらかいBGMのハワイ音楽、ちょっとしたユーモアなどがそこに重なっているため、アンビバレンツというか、両義的というか、見ていて複雑な感情を味わいます。
その両義性というのは、人物描写についてもそうで、反抗的な娘が見せる優しさであるとか、バカな青年が抱えていた複雑な事情とか、ひとりの人間が持つ良き面と悪しき面、浅い部分と深い部分の、両方を同時に監督は表現しています。
宇多丸さん曰く、「人間に対してたかをくくっていない」ということなんですが、良い人間は良い人間、悪い人間は悪い人間という紋切り型のとらえかたではなく、ひとりの人間に内在する多面性を描いていることが、この映画の大きな特徴です。
家族や愛する人との関係は、商品を消費するように、良い人の良い部分だけと付き合うような、いいとこ取りは決してできない。自分にとっての幸福や喜びでもあり、同時に苦痛や悲しみでもある、そんな存在なんだと思います。
ファミリー・ツリー公式サイト

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です